mizunowa48
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熊本市上下水道局における職員研修については、平成24年3月に策定した「熊本市上下水道事業経営基本計画」の中で、基本方針「安定した事業経営」を実現するための基本施策「執行体制の整備と人材の育成」に係る主な取組み「人材の育成(研修の充実、技術の継承など)」として位置付けています。具体的には、上下水道事業の安定した事業運営を目指し、業務を効率的かつ確実に遂行できる職員の育成を図るため、上下水道局が求める職員像を次の3つに整理しました。1熊本市職員としての職員像、2公営企業職員としての職員像、3上下水道事業職員としての職員像です。特に3上下水道事業職員としての職員像は、本市の水道事業、工業用水道事業及び下水道事業を確実に推進するスペシャリストを育成することが重要であると考えました。そのような中、下水道技術者育成の課題としては、職員の高齢化が進み、熟練職員の大量退職に伴う技術の継承をどのように行うのか。また、ジョブローテーションにより新たに下水道事業に関わる職員への教育をどのように行うのか。などがあげられます。私が初めて下水道事業に携わった二十数年前の仕事と言えば、主に「青焼きに図面折り」それと、先輩職員の「設計書の検算」を行う程度でした。その後、長い年月をかけて下水道技術者として育てていただきました。しかし、近年は、職員数は減り、業務は複雑になり、スピードが要求され即戦力としての人材が求められていますが、一朝一夕で下水道技術者のスペシャリストが育つことは困難であります。そこで、本市は、短期間で着実に成果が上がる日本下水道事業団の研修へ毎年多くの職員が参加しています。下水道事業団の研修内容は、6コースに分かれ、初級、中級、特別、指定講習があり、事務、土木、建築、機械、電気、化学等が受講できる広範囲な研修となっています。また、研修期間も数日から数週間とコースによって違いますが、各コースとも“戸田”に宿泊しての研修となります。この完全寮生活こそが、下水道事業団研修の一番のポイントだと感じております。日本全国から下水道に関する職員が集まり、24時間、下水道に関して論議する。疑問点や分からない点は、日本の下水道を支えている事業団の先生や、自治体の経験豊富な講師からアドバイスをいただける。このような最高の環境で勉強ができる下水道事業団研修こそが人材育成の最短コースだと確信しております。それと併せて、人脈の構築を行うことができるのも事業団研修の魅力です。寝食を共にし、時間を惜しみなく色々な話しをして交友を深める。なんと素晴らしい研修でしょう。また、私も9回目となる研修に参加したくなりました。(笑)このように人脈の構築を行った結果、熊本県内の事業団研修出身者は、毎年、渡邊先生をお迎えし盛大な事業団研修同窓会を開催しているところです。最後になりますが、平成26年度から事業団研修の受講料が大幅に改定となっていますが、自治体の下水道技術者の人材育成には、この事業団研修は無くてはならない研修施設だと思います。人が育ってからこそ、良い物ができると信じています。今後も事業団研修については、時代に応じたカリキュラムを設けていただき、研修生が7万人、8万人と増え、日本の下水道事業に携わる人材育成に寄与されることを切にお願い申し上げます。第48号研修みずのわ(3)「熊本市の下水道技術者育成と事業団研修」熊本市 上下水道局 計画調整課 課長補佐岡本 吉弘研修派遣団体のこえ

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