mizunowa50
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はじめに、研修会報「みずのわ」発刊50号、そして研修生7万人達成、誠におめでとうございます。研修センターを巣立った多くの仲間たちが全国各地で活躍し、各地域で「みずのわ」が生まれ、その輪が広がっていることを想うと、研修生OBの一人として大変うれしく思います。さて、これまでも、機関誌「みずのわ」に度々登場した「宮山会」。宮城・山形の研修生OB、そして事業団、渡邊良彦、青木実両氏を軸として、全国から駆けつける仲間たち。この会も、今年で23回を数え、3年前からは福島県須賀川市、郡山市も加わり「宮山福会」としてリニューアルし、今も増殖中であります。その光景は、まさに「朋あり遠方より来る、亦た楽しからずや」。気取って書くとこうなりますが、七ヶ浜風に平たく言えば、「やぁ! 元気だったぁ~、おぉ、すばらぐぅ~、すさすぶり~!(しばらく~、ひさしぶり~) んではまず一献!」とあいなります。この言葉は、論語の一節であり、私の町の亦えき楽らく小学校の名もここから名付けられました。人生最高の楽しみは、同じ志の友人とともに酒を酌み交わし、歓談することであるといいます。まさに、私たちの「宮み山や福ふく会かい」のためにあるような言葉です。さて、東日本大震災から6年が過ぎようとしております。三方を海に囲まれ、東北・北海道で一番面積の小さい七ヶ浜町ですが、東日本大震災では最大12・1mの大津波が襲来し、町域の約4割が浸水するなど甚大な被害を受けました。震災後は、全国からのべ8万人を超えるボランティアの方々や100名を超える他自治体からの応援職員など、国内外問わず多くのご支援、ご協力を賜りました。〝感謝!〟おかげさまで、高台住宅移転や災害公営住宅が完成し、復興事業も一つの区切りとなり、今、町は新たなまちづくりのステージに踏み出そうとしております。私は、町の復興は、子どもたちの未来をも見据えたものでなければならないと考えています。それは「ひとづくり」であります。その想いは、本町の子どもたちに、未来を生き抜く財産をつけてあげたいと考えています。その取り組みの一つとして、いま進めているのが英語を通したコミュニケーション能力であります。七ヶ浜の子どもたちに未来を生き抜く力を身につけてほしい。その願いから、英語をツールとしたグローバル人材育成プログラムの取り組みを始めました。下水道事業団研修センターも、まさに「ひとづくり」、人材育成の場であることは言うまでもありません。近年よく耳にする言葉にICTというのがあります。ICTとは、「Information Communication Technology」の略語で、直訳すると「情報伝達技術」。IT(情報技術)との違いは「Communication」という単語が含まれ、コミュニケーション機能が加わったものだそうです。情報通信に関する技術の総称で従来から使われていたITに代わる言葉で、海外ではICTの方が一般的だそうです。ICTになることにより、その目的は「お客様対応の強化」、「情報共有、社内コミュニケーションの強化」につながるのだそうです。その先は、AI(人工知能)でしょうか。機械にコミュニケーション機能が加わったことは、また一歩、人間に近づいたということでしょうか。しかし、日進月歩。どんなに世の中が進歩しようとも、辿り着けないものがあります。それは、人と人の信頼や絆であります。共に杯を酌み交わした日々。議論が白熱した研修「ノミニケーション」。日本下水道事業団研修センターは、下水道技術者を育むのみならず、今日までさらなる下水道技術への挑戦と伝承、そして歴史を繋ぎ、人を紡ぎ続けております。その精神は、連綿と私たち「宮山福会」にも受け継がれており、今に至っております。研修を受講された全国の仲間たち、これからも事業団研修センターで培ったスキルと「みずのわ」のスピリットのもと、各地域において、さらに大きく飛躍されることを心からご期待申し上げます。結びに、日本下水道事業団研修センターのますますのご隆盛と、全国の「みずのわ」会員の皆様のご健勝とご活躍を祈念いたします。(5)研修みずのわ第50号特別寄稿歴史を繋ぎ、人を紡ぐ 宮城県七ヶ浜町 町長 寺澤 薫

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