雨水通信教育システム~雨道場~ No.007
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雨水通信システム~雨道場~【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディー)①河川のモデルを構築するにあたっては、どのような基礎資料(データ)が必要ですか?2015.5月号No.007㈱東京設計事務所の協力により作成※問題の回答・解説は、あくまで問題作成者の見解であり、個別の事象を適切に解決できるものとは限りません。河川のモデルを構築するにあたっては、以下のような資料・データを収集する必要があります。•対象河川の流域図評価対象とする流域以外から河川への流入がある場合は、それらの流域からの流入も考慮して河川をモデル化する必要があるため、対象河川の流域を把握する。•河川の断面データ(横断面、縦断面)河川モデルの基礎データとして断面形状、河床高、護岸高等を把握する。•粗度係数河道の状況(改修や浚渫の状況)により適切な粗度係数を設定する。•河川調節池等(必要に応じて)河川調節池等が整備されている場合は、取水堰、貯留施設等を適切に設定する。•河川水位観測データ解析結果の妥当性の評価(キャリブレーション)や、河川モデルの最下流の境界条件として設定する。②下水道と河川との一体解析では、どのような利点・留意点がありますか?【利点】•下水道施設のみをモデル化してシミュレーションを行う場合、雨水吐口の境界条件として河川の計画高水位(H.W.L)を用いることが一般的である。しかしながら、計画降雨を超過するような豪雨の場合を除いて、実際の河川水位は計画高水位(H.W.L)よりも低い場合が多い。したがって、河川を含めたモデルを構築することで、実状に応じた適正な評価が可能となる。•対象河川の流域全体をモデル化することで、隣接する下水道流域間の相互の影響の評価が可能となる。•他部局における事業(河川部局による河川調節池整備等)の整備効果を考慮できる。【留意点】•河川モデルの基礎データの収集にあたっては、河川管理者の協力が不可欠である。また、必要に応じて現地調査や水位観測を行うことも検討する。•河川に流入する下水道流域全体をモデル化する必要があるため、モデル化対象流域が大きくなり、データ量の増大や作業が煩雑となる可能性があることに留意し、どこまでをモデル化対象とするか、検討が必要である。応用編39

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