雨水通信教育システム~雨道場~ No.008
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雨水通信教育システム~雨道場~【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディー)2015.7月号No.008浸入水の調査を実施する際には、まず、流入特性を把握する必要があります。常時浸入水を把握するには、夜間の一番流下量が少ないときのA水位(流量)を測定する必要があります。この時は、流下量が非常に少ないため、その流れを極力阻害しないような機器が必要となります。一方、雨水の浸入水量を把握する際には、強い降雨が発生した際に最も流下量が大きなときのB水位(流量)を測定する必要があります。この時、雨水の浸入水量が大きいところでは、水の流れが満管状態になる場合もありますので、現地の状況や雨天時の状況を把握して、最適な機種の選定が必要となります。AB資料:流量調査からはじめる不明水対策(シュア・テクノ・ソリューション.)に加筆写真パーマーボ-ラスフリューム(PBフリューム)出典:ペンタフHP一般的に、浸入水調査を実施する際には、低流量を測定する必要があるため、「パーマーボ-ラスフリューム(PBフリューム)」という流量計に超音波式水位センサーを付けて使用します。このPBフリュームは、下水や排水の流量を管きょにおいて精度よく測ることを目的とした計測用水路です。PBフリュームは水路を絞った形状をしており、下流の影響を少なくして、堰に似た原理で越流水深から流量を測定しており、流量計測精度は約±2~3%と正確な流量計です。規格は、メーカーにより異なりますが、管径250~2300mmに対応するものがあります。また、設置にあたっては、PBフリュームの上流側に口径の5~10倍の直線の水路延長が必要となり、下流側には、背水の影響を受けないように設置する必要があります。なお、雨天時浸入水が多く、B水位が満管を超える場合には、面速式流量計等の採用を検討する必要がありますが、流量計の精度が、PBフリュームの精度に比べて低いこと、センサーが大きいため低水深の際には、測定できないことがあること等にも注意する必要があります。【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディー)応用編日本水工設計㈱の協力により作成35※問題の回答・解説は、あくまで問題作成者の見解であり、個別の事象を適切に解決できるものとは限りません。

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