雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
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0123456789105305580105130155180205230窪地貯留有効降雨浸透降雨強度(mm/5分)時間(分)【問題】(ケーススタディー)第2問問1において紹介した流出解析モデルは、雨水流出と下水道施設内における水の流れの複雑な挙動を示すために、以下に示す5つの要素により構成されています。1.降雨損失モデル:降雨量から地表面に流出し下水管きょに流入する降雨(以下、有効降雨という)を算定する。2.表面流出モデル:有効降雨が地表面を流れる経過を計算し人孔(ノード)への流入量を算定する。3.管内水理モデル:2により算出された各人孔(ノード)でのハイドログラフを用いて管きょ等の流れを計算する。4.氾濫解析モデル:管きょの能力不足等により溢水した水の地表面2次元氾濫流を計算する。5.汚濁負荷量モデル:地表面や管内汚濁物の堆積量、流出負荷量の算定および管きょ内の水質の挙動を計算する。そのうち、降雨損失モデルは、窪地(凹地)貯留損失や浸透損失など様々な降雨損失要素をモデルに組み込むことで、実現象を考慮した有効降雨を計算できるようにしたものです。これを用いることで降雨初期~ピーク時~降雨終期など経時的な有効降雨の変化を高い精度で再現することができます。排水区を、間地・裸地等の浸透域、排水路に直接流出する直接流出域、その他の不浸透域に分けた場合、それぞれの地域から発生される有効降雨は下図のように示すことができます。雨水通信教育システム~雨道場~220123456789105305580105130155180205230有効降雨降雨強度(mm/5分)時間(分)0123456789105305580105130155180205230窪地貯留有効降雨降雨強度(mm/5分)時間(分)直接流出域不浸透域直接流出域は全量が下水道施設へと流入し(有効降雨となり)ます。不浸透域では、窪地(水溜り等)による損失後に、下水道施設へと流入し(有効降雨となり)ます。浸透域では土壌浸透能以上の降雨が地表面流出となり、窪地(水溜り等)による損失後に、下水道施設へと流入し(有効降雨となり)ます。浸透域今回、A市では、不浸透域に浸透ます、浸透トレンチおよび透水性舗装等の浸透施設を設けて、流域平均で浸透強度5mm/hrの確保を目指すこととしました。右上図について、これらの浸透施設を設けた場合の有効降雨の範囲をお示し下さい。ただし、流域平均浸透強度は降雨継続期間中は一定と考えて構いません。日本水工設計(株)の協力により作成導入編2015.9月号No.009

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