雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
34/38

局地的な大雨等に係る地域特性、時間分布、空間分布の分析を行い、下水道施設の整備や住民、民間企業、関係部局等に対して解りやすく提示する手順を示す必要がある。◆各観測所の独立降雨の収集について過去のデータについて、多く蓄積(収集)されている程望ましい。◆降雨の地域特性の検討について同一の市町村内においても山地と低平地の違いなどにより、統計的手法による降雨量にばらつきがある場合は、排水区間の地域特性を考慮することが望ましい。◆降雨の時間分布(DD特性:降雨量(降雨強度)と降雨継続時間の関係)の検討について下水道排水区は約1~2km2以内と狭小であり、比較的容易に降雨資料が収集できる10分降雨量と60分降雨量を基本として、下水道施設の能力を上回る実績降雨(各々で最大となる降雨など)を複数抽出することが考えられる。河川水位の影響が大きい地域では、それ以上の降雨継続時間も考慮することが望ましい。◆降雨の空間分布(DA特性:降雨量(降雨強度)と降雨面積の関係)の検討について下水道排水区のような狭小な範囲での、降雨量の低減度合いが小さい場合には、空間分布は考慮せず一様に設定することで問題ないと考えられる(複数排水区等の空間分布が一様でない場合の設定については、別途、要検討)。【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディ)雨水通信教育システム~雨道場~34<レベル1’照査降雨>下水道施設の能力を超える降雨<レベル2照査降雨>想定される最大降雨現時点での技術水準を踏まえ、これまでの水理・水文観測、気象観測の結果を用いて設定すべきである。国交省設置の「想定最大外力(洪水・内水)の設定に係る技術検討会」における設定手法に対する検討概要は以下のとおり。◆最大降雨の設定について過年度データより地域別に設定される60分最大降雨強度と1/1000確率降雨強度を比較し、大きな値を最大降雨として設定する。◆ハイエトグラフの作成について当該都市における実績降雨のハイエトグラフにおける1時間降雨量を先に設定した想定される最大降雨(1時間雨量)に引き伸ばして設定する。※上記は気候変動予測の結果を見込んだものとなっていないため、今後、気候変動予測技術の向上等により、設定手法の高度化に取り組むこととしている。レベル1’照査降雨の抽出イメージ実績の1時間降雨量について、地域別の60分最大雨量に引き伸ばしレベル1’実績ハイエトレベル2設定ハイエトレベル2照査降雨の設定イメージ10分最大降雨60分最大降雨2015.9月号No.009応用編(株)日水コンの協力により作成

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です