雨水通信教育システム~雨道場~ No.010
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雨水通信教育システム~雨道場~2015.11月号No.01028【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディー)①内水ハザードマップでは、下水道施設の計画降雨規模を超過する降雨(たとえば、既往最大降雨や放流先河川における計画降雨)とすることが適切です。下水道等のインフラ施設による防災対策では防ぎきれないようなリスクが発生した場合の被害状況を示すことで、市民の避難や防災に対する自助意識の向上を図ることができます。②浸水シミュレーションを活用すれば、様々な条件下での浸水状況を想定することができます。浸水対策を進める上では、最初に下水道計画で設定される外力(降雨や河川水位)により、現在の下水道施設の能力を把握することが重要です。また、右表に示すように、様々な外力条件下における浸水想定を行うことで、浸水常襲地区の特定、浸水原因の把握が容易になります。施設の故障等のリスクを除けば、代表的なリスクとして、降雨強度、河川水位、土地の浸透能力(右表では流出係数として表現、想定する雨の降り方ともいえる)があります。12345年確率降雨50年確率降雨既往最大降雨既往最大降雨流出係数下水道計画レベル河川計画レベル下水道計画レベル河川計画レベル設定主旨早急な浸水解消はできないが、今後下水道事業が目標としていく浸水解消区域の提示下水道計画を超過する降雨における浸水区域の明示既往最大降雨における浸水区域の提示、浸透能力を期待既往最大降雨における浸水区域の明示、長雨による土地の浸透能力低下を想定1自由水面河川の水位は十分に低いシナリオ1-1シナリオ2-1シナリオ3-1シナリオ4-12末端管路満管末端管路が満管となる水位シナリオ1-2シナリオ2-2シナリオ3-2シナリオ4-23堤内最低地盤高各吐口での排水系統中、最低地盤高レベルシナリオ1-3シナリオ2-3シナリオ3-3シナリオ4-34H.W.L河川計画に基づくシナリオ1-4シナリオ2-4シナリオ3-4シナリオ4-4降雨・雨水流出シナリオ降雨シナリオ河川水位シナリオ項目下水道計画レベル(5年確率降雨)下水道超過レベル(50年確率降雨)▲浸水想定区域図の比較事例▼発生リスクに応じたシナリオ設定例※問題の回答・解説は、あくまで問題作成者の見解であり、個別の事象を適切に解決できるとは限りません。浸水対策計画で活用内水ハザードマップで活用参考文献:「内水ハザードマップ作成の手引き(案)」(平成21年3月国土交通省都市・地域整備局下水道部)(株)NJSの協力により作成導入編

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