雨水通信教育システム~雨道場~ No.11
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施設情報は、下水道管理者が保管する下水道台帳のほか、施設の長寿命化を図るにあたっての下水道施設の点検・調査の結果がある。このほかに、浸水シミュレーションを行っている場合は、構造物に関する情報や水位に関する情報、集水面積や流出率などの情報がある。構造物に関する情報に加え、関連する運転操作情報等を精査し、蓄積すべきである。【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディ)雨水通信教育システム~雨道場~35施設情報観測情報参考文献:ストックを活用した都市浸水対策機能向上のための新たな基本的考え方平成26年4月留意事項・浸水シミュレーションの再現性向上のため、構造物の情報に加え、一定規模以上の浸水被害が生じた事象について、ポンプ場等の施設の操作実績を蓄積するべきである。・局地的な大雨における浸水開始時間を評価するため、雨水の流入施設雨水桝等の施設情報を把握することが望ましい。また、管路や吐口、分水人孔等の構造物に関する情報や水理に冠する情報、浸水シミュレーションに必要な情報を蓄積すべきである。・段階的には、幹線等の主要な施設から施設情報の蓄積を進めるべきである。留意事項①降雨情報・降雨の特性を把握するために、計画を上回る降雨が生じた事象について、降雨情報を蓄積すべきである。降雨情報は地上雨量計のほか、気象庁や他の行政機関の有する地上雨量計の時系列データ、XバンドMP雨量情報のデータを対象とする。②水位情報・ポンプ場の運転操作や浸水シミュレーションの再現性の向上等に活用するほか、住民への情報発信や施設操作、一定規模以上の浸水被害が生じた事象について、水位情報を蓄積すべきである。③浸水情報・床上床下戸数等の一般資産の被害情報を被害の状況の把握に反映させたり、浸水域を浸水シミュレーションの再現性向上に反映させるほか、リスクコミュニケーションの観点も踏まえて痕跡調査や聞き取り調査、CCTVカメラ映像等により、最大浸水範囲、浸水深、浸水開始・継続時間等を蓄積すべきである。浸水常襲地区においては、必要性を判断のうえ、時系列的浸水深が把握可能な浸水計の設置を検討する。観測情報は、降雨情報、水位情報、浸水情報等であり、管理者自らが下水道施設の運転操作、施設計画や整備の優先順位等への反映のために、これまで観測してきた情報に加え、新たな観測情報が求められている。応用編2016.1月号No.011オリジナル設計(株)の協力により作成

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