雨水通信教育システム~雨道場~No.13
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雨水通信教育システム~雨道場~【問題の回答・解説・基礎知識の学習】(ケーススタディー)②地域状況に応じたきめ細やかな対策を実施するためには、どのような対策目標が考えられるか?㈱東京設計事務所の協力により作成※問題の回答・解説は、あくまで問題作成者の見解であり、個別の事象を適切に解決できるものとは限りません。15従来の下水道計画では、整備区域全域において一律の整備水準(1/5~1/10等の計画降雨)で整備を進めることを基本としており、過去の浸水被害の大きい地区を優先的に整備してきたが、近年では「再度災害防止」に加え「事前防災・減災」、「選択と集中」等の観点から、浸水リスクを評価し、雨水整備の優先度の高い地域を中心に浸水対策を推進することとしている。各地の市街地における浸水被害発生状況に鑑みると、駅前・ターミナル駅に限らず、住宅地に至るまであらゆる地域で被害が発生しているため、ハードのみの対策では限界があることから、浸水リスクに応じたきめ細やかな対策目標を設定し、下水道浸水被害軽減総合事業の対象地区外でも、市街地全域でハード対策・ソフト対策を組み合わせた総合的な浸水対策計画の策定が必要である。例えば、都市機能が集積した浸水リスクが高い地域では整備水準を上げる(現状1/5⇒1/10等)など、地域の状況に応じた柔軟な対策目標を検討することも考えられる。【対策目標の例】•ハード対策+ソフト対策で最適な計画を策定する。•1/5、1/10等の計画降雨は公共下水道の整備目標であり、対策目標としては地域の状況に応じて照査降雨に対して床上浸水を防除する。•既存ストックの評価により対策目標を設定する。例えば、既存排水路の能力が1/3であれば、民間のハード対策等を考慮して1/5の対策目標を設定する。•重点対策地区は1/10整備、一般地区は1/5整備、浸水リスクに応じて柔軟な対策を図る地区は1/3整備あるいは民間のハード対策等での対応とする。2016.5月号No.013

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