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研修生のこえ 事業団研修を受講して 名古屋市上下水道局下水道計画課 田邉 靖大 名古屋市の下水道は最初の供用開始を告示した大正元年を始まりとし、平成24年に100周年を迎えました。市域の拡大と発展に合わせて整備を進め、下水道人口普及率は平成24年度末で99.1%に達しています。昭和初期には、下水の流入による汚染が大きな問題となっていた市内河川の抜本的な浄化策として「活性汚泥法」による下水処理を全国に先駆けて開始しました。現在は、災害への備えとして、本市に甚大な浸水被害をもたらした東海豪雨をはじめとする集中豪雨に対応する緊急雨水整備事業や重要な下水道幹線などの耐震化を進めています。また、環境保全への対応として、市内河川や伊勢湾のさらなる水環境向上を目的とする合流式下水道の改善や高度処理施設の導入、老朽化施設への対応として、アセットマネジメントの手法をより活用した老朽施設の計画的な改築・更新などの事業を鋭意実施中です。 今回私が受講させていただきました研修は「計画設計コース 下水道事業における地震対策」で、11月19日から11月22日の4日間でした。研修では、下水道事業の地震・津波対策に関する昨今の動向、過去に地震・津波で受けた下水道の被害状況や対応状況、地震・津波に対する対策や計画の事例などについて学ぶことができました。講師の先生方からは質問に対しても貴重なご意見をいただくことができました。 本市では、昭和初期から高度経済成長期にかけて多くの施設が建設されており、それらの地震対策が課題となっております。また、講義においても東日本大震災での津波被害が取り上げられましたが、津波対策についても課題となっております。本研修を受講した目的としては、今後の地震、津波対策の計画に役立てること、また、現在の業務の中で協議しているところについて、他自治体の方や講師の先生方にご意見をうかがうことでした。 研修生は、南は沖縄から北は北海道まで35名でしたので、講義外でも、談話室や宿泊部屋で日々の業務で抱えている課題などの意見交換ができ、貴重な時間を過ごせました。また、各々の地元の話などをして親睦を深めることもでき、とても楽しく過ごすことができました。本館棟から見える富士山がとてもきれいで、朝日に照らされほんのり橙色に染まった富士山も心に残っています。 「下水道事業における地震対策」の研修は今回が初回ということでしたが、今後も下水道施設の耐震指針類が改定されるなど、地震、津波に関する課題や対策についての議論は絶えないと思います。本研修がその解決の糸口となることを期待しております。 最後になりましたが、福田先生をはじめ、講師の皆様、研修センターの皆様、また幹事、副幹事、会計をはじめ同じ研修期間を過ごした研修生の皆様には感謝を申し上げるとともに、皆様方のご活躍をお祈り申し上げます。 (平25『下水道事業における地震対策』受講) (8)研修みずのわ第47号事業団研修を受講して名古屋市上下水道局下水道計画課田邉 靖大研修生のこえ

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