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【第1章】新下水道ビジョン策定の背景と目的国民生活や経済活動を支える下水道•⽔は⽣命の源であり、絶えず地球上を循環しながら、⼈々の⽣活を⽀え、潤いを与えるとともに、産業や⽂化の発展の礎になる、他に代わりを求めることのできない極めて重要な資源である。•この貴重な⽔の循環の⼀端を⽀えているのが下⽔道。•下⽔道は、⽔の循環をとおして、⼈々の衛⽣的で快適な⽣活環境を⽀え、河川、湖沼、海洋等の⽔環境を⽔質汚濁等から守っている。•今⽇の下⽔道は、「⼈」、「モノ」、「カネ」の⾯での制約(例えば、「ベテランの⼤量退職と体制縮⼩」「施設の⽼朽化」「投資縮⼩」など)が時間の経過とともに静かにしかし確実にその深刻度を増しておりその持続可能性の危機を迎えている迫り来る危機さらに、都市等に降った⾬⽔を速やかに排除し⼜は貯留することにより、⼈々の⽣命・財産を浸⽔被害から守っている。⼩」など)が、時間の経過とともに、静かに、しかし確実にその深刻度を増しており、その持続可能性の危機を迎えている。•この状況を⾒過ごせば、いつの⽇か事業の継続は困難となり、下⽔道システムに基本的には有効な代替⼿段はないため、汚⽔の溢⽔や⽔道⽔源の汚染等による感染症の発⽣や⽔道供給の停⽌、河川や海域の⽔環境汚染やそれに伴う⽔産業やレクレーション活動、⽣態系への被害、都市における浸⽔被害、管渠の破損に伴う道路陥没事故等、国⺠の⽣活や経済活動に⼤きな⽀障をきたし、⼈命や財産が失われるなど甚⼤な被害を与えることとなる。甚被与•⾼度成⻑期以降、都市化の進展、産業の発達等に伴う衛⽣問題や⽔環境問題を解決するため、下⽔道施設を短期間で整備し、それらを安定的に管理運営してきた経験から培われた技術⼒や組織・⼈材が豊富に蓄積されている。•また東⽇本⼤震災等の⼤規模災害から得た教訓や⼈⼝減少への対応策など世界にも先んじた知⾒を有する豊かな国民生活の実現に資するための下水道のポテンシャル•また、東⽇本⼤震災等の⼤規模災害から得た教訓や、⼈⼝減少への対応策など、世界にも先んじた知⾒を有する。→これらのポテンシャルや叡智を活かすことにより、世界の下⽔道のリーダーとなり、我が国の国際的なプレゼンス向上にも貢献可能•さらには、下⽔汚泥等の地域資源を最⼤限活⽤することで、地域における⽔・資源・エネルギー循環の要となるとともに、下⽔道分野を越えて⾷料やエネルギー分野等にも貢献する可能性がある。新下水道ビジョン策定の目的○この「新下⽔道ビジョン」は、上述の危機とポテンシャルを踏まえ、「今」がまさに「危機を好機に変える最初で最後のチャンス」であると捉え、危機を好機に変えるための基本⽅針として策定する。○本ビジンは下⽔道事業の現状と課題社会経済情勢の変化や将来を⾒通した上で下⽔道の「使命」を改めて⾒直し「使命」を達○本ビジョンは、下⽔道事業の現状と課題、社会経済情勢の変化や将来を⾒通した上で、下⽔道の「使命」を改めて⾒直し、「使命」を達成するための⻑期的な未来像として「ビジョン」を描き、「ビジョン」を達成するための中期的な⽬標と施策を明確化するもの。○この「ビジョン」に描いた未来像の実現に向けては、地⽅公共団体、公的機関、⺠間企業、⼤学・研究機関、国、国⺠等、全ての関係主体が本ビジョンを共有し、適切な役割分担の下、「チーム・下⽔道ジャパン」として⼀丸となって⾏動していくことが必要である。4

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