雨水通信教育システム~雨道場~ No.005
7/24

雨水通信教育システム~雨道場~100mm/h安心プラン策定事例(福島県郡山市)2/22014.10月号No.005/安策定事例(福島県郡山市)/●技術的に工夫した点●100mm/h安心プラン策定にあたってその他留意した事項・計画降雨の設定の考え方・協議会の構成員の変更郡山市ゲリラ豪雨対策9年プランの対象降雨として、平成22年7月にJR郡山駅前で発生した集中豪雨を設定(1時間郡山市ゲリラ豪雨対策9年プランの運営・効果検証を行う「郡山市総合治水対策連絡協議会は総合的な治水対策を協議検討集中豪雨集中豪雨集中豪雨H20.7.27H22.7.6H25.6.25学識経験者河川管理者(国)河川管理者(県)河川管理者(市)22年7月にJR郡山駅前で発生した集中豪雨を設定(1時間当たり74mm)しました。しかしながら、その後、市内で1時間当たり101mmの降雨が観測されるなど、ばらつきが発生したため、年間最大時間降雨の上位3位のうち、被害の一番大きかった降雨(74mm/h)を対象降雨として設定しました。市総合治水対策連絡協議会」は総合的な治水対策を協議・検討する組織として平成24年度に設置されましたが、対策検討の一層の充実を図るため、平成26年度に委員の変更を行いました。従来組織の構成委員は、学識経験者と行政機関の代表のみでしたが、新たに住民代表、土地改良区、FM放送等マスメディアの関係企業の代表者にも参画して頂いております。065651時間あたり最大雨量(mm)8074101床上浸水戸数(戸)10627下水道管理者(市)関連部局(市)住民代表土地改良区情報システム系企業マスメディア新たに参画表:近年における集中豪雨上位3降雨表:総合治水対策連絡協議会構成機関流域対策ソフト対策対象降雨・下水道ハード整備の降雨設定・ハザードマップの作成・公表平成25年5月に公表した「郡山市浸水ハザードマップ」は、平成22年7月にJR郡山駅前で発生した集中豪雨(1時間当たり74mm)を想定して作成しました。今回のプランの対象降雨としても、同降雨を設定しており、プラン作成に先立って、シミュレーションによる浸水想定把が来が役対象降雨74mm/hの降雨実績を降雨強度式に換算すると確率年は80年に該当し、下水道指針に示される水準に対して非常に過大となります。そこで本プランにおいては、河川等に比べると流達時間が比較的短い下水道管路施設の流下特性を考慮し下水道によるハード対策・ストック活用の検討課題従来の整備水準(50mm/h)新たな整備水準(58mm/h)(74mm/h)の現状把握が出来ていたことが役立ちました。今後、マップを活用したワークショップやまち歩き等の普及啓発事業を実施することもプランに盛り込んでおります。阿武隈川左岸の雨水貯留管は東部第二排水区図:郡山市浸水ハザードマップ(平成25年5月)東部第二排水区図:分担量のイメージ間が比較的短い下水道管路施設の流下特性を考慮し、実績降雨における最大10分間降雨量(23mm/10min)に該当する降雨強度式を算出しました。結果、21年確率降雨58.6mm/hによる降雨強度式が、実績降雨と最も近しくなることから、当該降雨強度式をハード整備の計画降雨として採用することとしました。浸水実績資料内水HM資料雨水幹線能力・対策箇所の選定手法内水対策のハード整備箇所を整理するに当たって、排水区単位で浸水発生のポテンシャル、発生頻度、危険度を重ね合わせて危険箇所を抽出し、さらに抽出した浸水対策優先地区に対して動水位追跡を行い、地表面以上に溢水が生じる箇所を特定しました。さらに地下埋設物や周辺環境等を含め、総合的な評価を踏まえて、要対策箇所の選定を行いました。阿武隈川左岸の雨水貯留管は、東部第二排水区、東部第一排水区、落合堀排水区の3つの排水区にまたがって計画しており、単独排水区に対する貯留効果だけではなく、局地的な降雨の際、他の排水区の雨水管路に余裕がある場合は、他幹線へのバイパス効果による浸水被害軽減が期待されます。各雨水幹線の水位データの集約やポンプ等の運【凡例】東部第一排水区貯留管(ネットワーク管):小規模排水ポンプ:集中豪雨による浸水エリア:雨水幹線:落合堀排水区↑阿武隈川PPP余裕のある幹線から排水貯留管に流入浸水実績資料内水HM資料雨水幹線能力●計画の推進に向けて今年は当市の市制90周年合併50年の記念すべき年でありますがこの「郡山市ゲリラ豪雨対策9管渠能力:NG動水位:NG→要対策+優先順位高管渠能力:OK動水位:OK→対策不要管渠能力:NG動水位:OK各雨水幹線水位デタ集約やポ等運用等のシステムを構築し、幹線同士のネットワークを図ることで、より効率的に施設活用が可能となる様検討を進めてまいります。落合堀排水区P貯留管に流入図:雨水貯留管のネットワーク化イメージ施設整備位置抽出今年は、当市の市制90周年・合併50年の記念すべき年でありますが、この「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」の登録決定から9年間で浸水対策を実施し、来たる市制100周年の年に向けて浸水被害の軽減を図っていく考えです。去る9月9日に東北初の100mm/h安心プランの登録が決定し、折しも市議会9月定例会の開催期間中でもあったことから、市民・市議会への説明の機会を得ることができました。プラン登録により、事業予算の優先配分がなされ、一層の整備促進が図られること、浸水対策に対する市の姿勢を明らかすることが出来るなど、100mm/h安心プラ対策施設の必要量・効果等を浸水シ動水位:OK→要対策箇所対策施設の77と、浸水対策に対する市の姿勢を明らかすることが出来るなど、100mm/h安心プランの活用は、自治体にとって大きなメリットがあると考えております。最後になりますが、当プラン策定に当たりましては、国土交通省様を始め、既登録自治体である岐阜県多治見市様など多くの皆様に貴重な御意見・御指導を賜りましたことに感謝申し上げます。等を浸水シミュレーションによりチェック図:対策箇所選定のための重ね合わせ図対策施設の計画検討

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です