雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
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【解答】(ケーススタディー)第1問これまでの基本的な設計手法は、雨水を管きょにより速やかに排水する思想のもとで、合理式を用いて計画降雨から算定されたピーク流出量を自由水面流れにより排水することが可能な管きょを計画・整備するものでした。しかしながら、同手法では、超過降雨や実降雨等に対する能力評価や、バイパス、ネットワークおよび貯留施設等が複雑に組み合わされているような場合の流域全体の能力を一体的に評価することは困難でした。雨水通信教育システム~雨道場~21一方、浸水シミュレーションを用いた手法は、排水区のモデルに時間的・空間的な分布を持つ降雨を与えて、排水区の高低差や流出状況などの地域特性を反映した流出・氾濫現象・管内水理状況等を解析することで、高い精度で浸水状況の再現や施設能力の評価、浸水原因の把握が可能です。そのため、浸水区域や被害の想定のほか、管内の圧力流れやある程度の浸水の許容など既存施設の能力を最大限に評価したうえで、経済性や効果の早期発現性に優れた対策の検討を行うことができます。浸水シミュレーションのイメージ出典:特定都市河川浸水被害対策法施行に関するガイドラインある程度の浸水を許容内水ハザードマップ等圧力流れの評価流出抑制施設の組み込み自由水面流れの評価合理式等による管きょ設計既往最大降雨計画降雨従来手法浸水シミュレーションハイエトグラフによる目標レベルと設計・評価手法のイメージ浸水シミュレーションのより詳細な解説や解析結果例については下記も参照して下さい。http://www.suikon.or.jp/pdf_etc/amedojo/reference.pdf日本水工設計(株)の協力により作成導入編2015.9月号No.009

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