雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
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【回答】以下に主にハード対策の例を挙げる。◇既存の下水道施設を活用した対策:①管渠(幹線、枝線管渠)のネットワーク化⇒解説:局所的豪雨の場合、片方の系統のみで浸水が生じ、残り一方の系統には余裕があることがあることから、ネットワーク化により、管内水位の平準化が図れる。<留意事項>各系統の縦断(高さ)関係の整理を行い、接続の可否を判断する必要がある。また、地形状況や下流管渠の流下能力、水位観測及びシミュレーション結果をもとに各系統の水位関係を確認し、浸水の移動が生じないように留意が必要である。②管渠の一部増径⇒解説:流下能力が不足し、急激に水位が上昇する箇所について、増径し、ボトルネックを解消することにより、上流域の水位低下が見込まれる。<留意事項>増径することにより、流下能力が向上することから下流への流下量が大きくなる。同対策箇所における水位低下状況(貯留効果含む)の発現を確認するとともに、下流域への影響(水位縦断変化)を確認する必要がある。③合流改善対策用貯留施設の浸水対策併用運用⇒解説:大規模降雨が予測される際には、事前に貯留施設の水位を下げ、ピークカット用の施設として運用することで貯留効果(ピーク時の水位低下)が見込まれる。<留意事項>本来の合流改善対策としての目的としての運用が主となることから、浸水対策運用時には、精緻な降雨の予測に基づくことが望まれる(高精度降雨情報システム(XRAIN等)の活用等)。◇他事業者との連携:④他事業施設との連携(農業用のため池の雨水調整池としての利用)⇒解説:大規模降雨が予測される際には、事前にため池の水位を下げ、ピークカット用の施設として運用することで貯留効果(ピーク時の水位低下)が見込まれる。<留意事項>他事業者との調整(協力)が必要である。灌漑期の場合は、水位を下げることが困難な場合もある。⑤可搬式ポンプ、止水板等の設置⇒解説:事業者や住民の協力のもと、可搬式ポンプによる排水や止水板等による止水を行うことにより、浸水による被害拡大を防ぐことが可能となる。<留意事項>事業者や住民に対して、ハザードマップ等による事前周知や降雨時における水位情報や被害情報等の提供が重要である。※上記、ハード対策の実施にあたっては、各種情報等を活用したリスクコミュニケーション(ソフト対策)による効果の最大化が望まれる。雨水通信教育システム~雨道場~(株)日水コンの協力により作成【①の回答例】(第2回雨道場(9/10)のグループディスカッションの復習)応用編2015.9月号No.00936

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