雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
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【回答】ソフト対策は、特に浸水解消が困難な超過降雨時の対応として重要な役割を果たすと考えます。公助によるものと自助・共助によるものがあり、公助は効率的な維持管理体制の構築、情報収集・提供、他の事業主体との連携、自助対策の支援等があります。自助・共助は主に地域住民の協力が前提となるものであり日常における道路雨水ますの清掃、降雨時の土のう積み、災害発生時に向けた自主的訓練、災害ボランティアとの連携等があり、今後の雨水対策の一部として非常に重要な役割を担うものとして期待されています。主だった公助によるソフト対策は、施設情報及び観測情報を下水道事業に活用する対策とリスクコミュニケーションに活用する対策に分けられます。(1)施設情報及び観測情報を下水道事業に活用した対策①雨量計、水位計、浸水計等の積極的な設置、観測、情報の蓄積・分析②流出解析モデルの精度向上や観測データによる水害要因分析に基づくきめ細やかな対策の検討③高精度降雨情報システム(XRAIN等)の活用、リアルタイム運用システムの構築(2)施設情報及び観測情報をリスクコミュニケーションに活用した対策①内水ハザードマップ等の作成・公表②観測情報や施設運転状況の住民への多様な手法による情報発信(HP,エリアメール,行政メール等)③災害対策基本法に基づく非難指示・避難勧告への反映④地下街等の管理者に対する浸水リスクの啓発⑤まちづくりとの連携⑥危機管理体制構築のための訓練、出前講座等による図上訓練⑦住民、事業者からの情報収集及び協働した水防活動ソフト対策は、ハード対策との組み合わせにより効果を発現する場合がほとんどであるので、地域の特性を考慮のうえ、ハード対策の段階的な発現効果を確認しながら、ソフト対策の役割を果たすことに留意する必要があります。地域住民にとって、浸水によるリスクを軽減するためには、迅速に最新の情報の提供を受けることが不可欠です。事前に的確な情報提供を発信しておくことはもちろんのこと、高度でリアルタイムな情報提供を目指すことが重要です。雨水通信教育システム~雨道場~【②の回答例】(第2回雨道場(9/10)のグループディスカッションの復習)応用編2015.9月号No.00937オリジナル設計(株)の協力により作成

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