雨水通信教育システム~雨道場~ No.009
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B-DASHプロジェクト(ICTを活用した浸水対策施設運用支援システム)の実証研究雨水通信教育システム~雨道場~国総研の研究を紹介します(国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部下水道研究室主任研究官松浦達郎)2015.9月号No.009参考:国総研レポート2015http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/2015report/index.htm実証研究の概要本研究は、雨量や水位等の情報の検知・伝達・分析・提供に関する個別技術をICTにより統合したシステムを構築し、既存の浸水対策施設の効率的運用により、浸水被害軽減を目指す実証研究であり、実証フィールドは、広島市江波地区を対象としている。江波地区は、広島県を流れる太田川の河口部に位置した南北に細長い地区である。地区内は住宅地を中心として都市化が進んでいる。また、雨天時には地区外(横川及び吉島地区)からポンプによって雨水が送水されている。地形的には、河川に面した部分と北側及び南側の地盤が比較的高く、それ以外は概ね標高1.0m以下の低い土地であり、降雨による浸水発生の頻度が高い地区である。本研究では、既設と併せて地上雨量計3台、水位計13台で区域内の雨量及び下水道管内の水位を計測する。また、降雨情報については、XRAINによる観測データも活用し、これらの情報を区域内に敷設した全延長約4kmの光ファイバーケーブルに接続し、リアルタイムで収集しながら、浸水予測とポンプ運転等の支援情報の提供を行う(図参照)。実証研究成果の活用現在はシステム構築が完了し、データの収集・監視を開始したところである。今後は収集データを用い、システムによる支援情報を活用した場合の被害軽減効果について確認する。さらに本研究で用いた技術については、広く一般的に普及させることを目的に、得られた成果を基とした技術ガイドラインの作成を行う予定である。4

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