Kigyo-2
3/12 経営成績や財政状況を明確化するためのツール

【テロップ】
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【ノート】
公営企業会計において、経営成績や財政状況を明確化するためのツールは何かについて、少しご説明いたします。  官公庁会計と公営企業会計との大きな差異としては、形式的な面からは単式簿記か複式簿記かの違いですし、実質的な面からは現金主義か発生主義かの違いということになります。 官公庁会計は単式簿記、現金主義を採用し、公営企業会計は複式簿記、発生主義を採用しています。なお、組み合わせとしては、単式簿記で発生主義、複式簿記で現金主義というのが理論的です。ですから、「複式簿記を採用する」ということは、一般的には発生主義を採用するという意味も含んでいるということになります。 複式簿記は、取引のたびに借方・貸方に等しい金額を計上するものです。たとえば、50万円で機械を現金で買ったとすれば、借方に機械が増えたとして50万円を計上し、貸方には現金が50万円減少したことを計上することになります。 経済活動が、財貨、用役等の経済価値の相互交換という2つの側面から成り立っていることを考慮したものです。負債・資本から資産、費用・収益と流れる経済活動の変遷を記録するために不可欠ですし、貸借対照表や損益計算書は複式簿記を採らないと作成できません。 なお、施行令9条2項は、「正規の簿記の原則に従って正確な会計帳簿を作成しなければならない」と定めていますが、「正規の簿記の原則に従って」とは複式簿記を指すものと理解されています。 発生主義というのは、現金の収支の有無にかかわらず経済活動の発生という事実に基づき、その発生の都度記録し、整理する経理の方式をいいます。 法20条1項が発生主義を定めています。発生主義によらないと、適正な期間損益計算を行うことができなくなります。