Kigyo-2
5/12 簡 単 な 例

【テロップ】
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【ノート】
決算書によって「経営成績や財政状況の把握ができる」ということを、少し官公庁会計と比較しながら、具体的な事例を考えてみます。 簡単な例をお示しします。前年度に全額借入金で100円を用意しました。負債100円、資産は現金100円となります。貸借対照表を見れば、現金が100円あるけど、借金も100円あるから経営基盤は安定しているとはいえないことがわかります。これに対して、自己資本が100円であれば経営基盤が安定していると分かるわけです。同じ現金100円でもその出所により、財政状況に大きな差異があるわけです。これに対し、官公庁会計では現金100円が入ってきたことしかわかりません。なお、この取引は資本取引だけですので、損益計算はありません。 さて、当年度に入ってこの100円を使って、1個10円の商品を現金で10個仕入れたとします。そして、今年1年間で4個を1個20円で現金販売したとします。収益は、80円です。100円支出して、80円の収入があったことになります。官公庁会計では現金100円が出て、80円入って、差額がマイナス20円ですということしか分からないわけです。では、損益上赤字でしょうか。 損益計算上、費用は100円ではありません。売った4個分の40円が費用となります。残り6個分は、棚卸資産として60円が資産に計上されます。そうしますと、経営成績は80円引く40円で40円の当期純利益が出たことが分かります。 そして、年度末の財政状況は、負債も100円ありますが、80円の現金と60円の棚卸資産で資産が140円あり、繰越剰余金が40円あるということが分かるわけです。